先月まで
ほとんど何も言わなくても
進んでいた仕事がありました。
Excelにまとめた内容を読み取り
必要な項目を判断し
Googleビジネスプロフィールに入力する。
投稿内容に合わせて画像を選び
指定したパスから添付する。
最後に内容を確認して更新する。
これをCodexに任せていました。
もちろん、最初から全部できたわけではありません。
何度か作業を繰り返しながら、
「この場合は、このカテゴリー」
「同じセクションがあればそこへ追加する」
「なければ新しいセクションを作る」
「画像はExcelに書いた絶対パスから使う」
といったルールを整えてきました。
一度流れができてしまえば
毎回細かく説明しなくても
かなりのところまで進めてくれる。
俺の中では、もう「AIを試してみている」
という段階ではありませんでした。
実際の業務で使っていました。
ところが今月、いつものように
同じ仕事を任せたところ、少し様子がおかしい。
最初は小さな違和感でした。
でも作業を進めていくと、その違和感は
はっきりした問題に変わりました。
そして最終的には、先月まで普通にできていた
画像添付の工程で止まってしまったのです。
今回は、
- 何が変わったのか
- どこで仕事が止まったのか
- Claude Codeへ引き継いでどうなったのか
- そこからAI自動化について何を考えたのか
を、実際に業務で起きたこととして
残しておこうと思います。
AIの性能を競わせる記事ではありません。
「昨日までできていた仕事が、突然できなくなる」
ことまで含めてAIを仕事で使う、という話です。
最初の違和感は、画像添付より前にあった
先月まで判断していたルールを外し始めた
最初に感じた違和感は、
画像のアップロードではありませんでした。
もっと手前です。
これまでCodexは、こちらが毎回細かく説明しなくても、
「この内容ならこのセクション」
「既存のセクションがあるなら、そこへ追加する」
といった判断をしていました。
もちろん、何も教えていないのに
勝手に理解したわけではありません。
それまでの作業の中で、俺がルールを伝え、
実際に何度も処理をさせています。
その積み重ねがあったので
同じ業務では毎回ゼロから説明する必要が
なくなっていました。
ところが今月。
同じ作業をさせると、以前なら当然のように
判断していたところで止まりました。
こちらから見ると、
「そこ、先月までは言わなくても分かってたよね?」
という状態です。
AIに対して「覚えていた」「忘れた」という表現が
技術的に正確かどうかは別として、
使っている側の感覚では、
それまで成立していた仕事上の前提が崩れた。
そう感じました。
そこで、改めてルールを説明しました。
すると、その部分については処理できました。
「今回はもう一度説明すればいいか」
その時点では、まだそれほど深刻に考えていませんでした。

説明すれば進む。でも、以前とは何かが違う
ここは誤解のないように書いておきます。
Codexが何もできなくなった
わけではありません。
Excelを読めないわけでもない。
こちらの指示を理解できないわけでもない。
明示的に説明すれば、作業は進みます。
ただ、以前は言わなくても進んでいた部分に
再び説明が必要になった。
実務では、この差は意外と大きいものです。
AIを使う目的の一つは、
人間が毎回同じ説明をしなくても
仕事を進められることです。
同じ業務のたびに、
「これはこう判断して」
「次はここを見て」
「この場合はこのセクションで」
と指示し直すなら、人間側の手間は増えます。
とはいえ、この段階では
まだ仕事は続けられました。
本当に止まったのは、そのあとです。
本当に止まったのは、画像添付の画面だった
別ウィンドウが開いた瞬間、Codexから見えなくなった
Googleビジネスプロフィールへの入力自体は進みました。
そして、いつものように
画像を添付する工程に入ります。
画像については
Excelに絶対パスを書いてあります。
つまり、
「どの画像を使うのか」
は、最初から分かっています。
以前は、そのパスにあるファイルを使って、
そのまま画像付きで登録できていました。
ところが今回は
画像添付の操作に入ったところで
止まりました。
ファイル選択のために別のウィンドウが開く。
すると
その画面をCodex側から認識できていない。
引き継ぎ時に残した記録を見ると
ファイル選択を呼び出す filechooser の処理がタイムアウトしていました。
インアプリブラウザでも、
Chrome拡張経由でも
同じ状態でした。
Windows側のファイル選択画面が
Codexから操作できる対象として
見えていなかったのです。
つまり、
「画像の場所が分からない」
わけではありません。
画像の絶対パスは分かっている。
どの商品にどの画像を使うのかも分かっている。
その画像を選ぶための
Windows側の画面に手が届かない。
そんな状態でした。
「画像を貼ってください」と言われても、それでは意味がない
Codexからは、
「こちらからは見えないので、画像を貼ってください」
という趣旨の返答がありました。
もちろん、画像を手作業で
貼ること自体は難しくありません。
数クリックすれば終わります。
でも、問題はそこではありません。
今回の対象は38店舗です。
1店舗につき、新しく登録する商品が10件。
さらに、既存商品の削除が4件あります。
全体では、
- 商品登録:380件
- 商品削除:152件
です。
一つの商品に
画像を貼る操作だけを見れば
大したことはありません。
でも…
それが数百件になると話が変わります。
そのたびに、
- ファイル選択画面を開く
- 画像を探す
- 選択する
- 添付する
- 次の作業へ戻る
という操作を俺がやる。
それなら結局、人間がパソコンの前に
張り付くことになります。
数クリックを人間に戻すだけでも、それが数百回になれば自動化の意味は大きく変わります。
俺が欲しかったのは、
「AIに文章を書いてもらう」
だけではありません。
実際の仕事を、ある程度
まとめて任せられることです。
だから、
「画像だけ人間がやればいい」
では解決になりませんでした。
改善策はないか、と聞いた
そこでCodexに聞きました。
「これを全部俺がやるなら、自動化の意味がない。何か改善策はないか」
別の方法で画像を渡せないか。
ファイル選択画面を経由しない方法はないか。
他に回避策はないのか。
しかし、その時点で使える改善策は出てきませんでした。
要するに、
「今の状態では難しい」
という返答です。
ここで、Codexだけで今回の仕事を
完了させるのは諦めました。

そこでClaude Codeに引き継ぐことにした
Codex自身に引き継ぎ書を作らせた
ただし、全部をゼロからやり直すのは避けたい。
これまでCodexと作ってきた、
- 作業の目的
- Excelの場所
- 画像ファイルの場所
- セクション分けのルール
- 価格を入力しないこと
- 1店舗ずつ完了させて次へ進むこと
- 10商品を登録してから削除すること
- 削除対象の商品
- 途中まで作業していた店舗の状況
などを、Claude Codeへもう一度説明するのは大変です。
そこでCodexに、
「Claude Codeへ引き継ぐから、引き継ぎ書を作ってくれ」
と指示しました。
結果として、かなり細かな
引き継ぎ資料ができました。
何を登録するのか。
どの画像を使うのか。
どこまで作業が済んでいるのか。
どこで止まっているのか。
障害の内容は何か。
それをまとめてClaude Codeへ渡しました。
仕事ができなくなったAI自身に
次のAIへの引き継ぎ資料を作らせた。
考えてみれば、少し不思議な話です。
でも、これはAIだからこそできる
便利な使い方でもありました。
「Claude Codeならすぐ終わるだろう」と思っていた
引き継ぎ書まで作ったので、
「これならClaude Codeでそのまま続けられるだろう」
と思っていました。
Codexでできていた仕事です。
Claude Codeも強力です。
多少の違いはあっても、同じくらいの感覚で終わるだろう。
正直、そのくらいに考えていました。
作業そのものはできました。
ただし、想像していた進み方とはかなり違いました。
約3時間で終わっていた仕事が、足かけ2日半かかった
Codexでは38店舗分を約3時間で処理していた
以前のCodexでは、この仕事は約3時間ほどで終わっていました。
対象は38店舗。
1店舗につき10商品の登録と4商品の削除。
登録だけで380件。
削除は152件です。
しかも単純に文字をコピーするだけではありません。
店舗ごとに、Excelのセクション名と
Google側の既存セクションを比較します。
同じ名前のセクションがあれば、そこへ追加する。
なければ新しく作る。
価格は入力しない。
画像はExcelに書かれた絶対パスのものを使う。
1店舗の10商品の登録が完了したら
内容を確認し、その後で削除対象を処理する。
そうしたルールを含めて処理していました。
それでも、以前のCodexならおおよそ3時間。
「この仕事なら3時間くらい見ておけば終わる」
という感覚がありました。
だから、業務として予定を組めます。
ところがClaude Codeへ引き継いだ結果、
完了まで足かけ2日半かかりました。
利用制限と、何度も入る承認確認
もちろん、
「Claude CodeはCodexの何倍も遅かった」
という単純な話ではありません。
途中で利用時間の制限もありました。
5時間単位の制限。
週単位の制限。
続けて作業したくても、そこで一度
止めざるを得ない場面があります。
もう一つ大きかったのが、承認です。
Claude Codeでは作業の途中で、
「この操作をしていいか」
「この処理を実行していいか」
と承認を求められることがかなりありました。
安全性の面では意味のある仕組みだと思います。
ただ、実務で使う側からすると、
これがかなりテンポを落とします。
設定で承認を求めない方法もあるのですが
それをすると削除の段階で止まり
また承認を求める、というループに
入ってしまいました。
本来なら、
「この仕事をお願い」
と渡して、その間に俺は別の仕事をしたい。
ところが何度も承認を求められると
そのたびに戻って確認しなければいけません。
AIに任せているはずなのに、人間がずっと付き添っている。
そんな状態になります。

それでも、Claude Codeの作業は完璧だった
ここはきちんと書いておきたいところです。
Claude Codeへの引き継ぎは時間がかかりました。
承認も多かった。
思っていたようなテンポでは
進みませんでした。
でも、
最終的な作業内容は完璧でした。
入力内容にも問題はない。
画像も登録できた。
最終結果に不満はありません。
だから、
「Claude Codeは使えなかった」
という話ではありません。
むしろ、仕事の正確さだけを見れば非常に優秀でした。
Codexなら約3時間。
Claude Codeでは足かけ2日半。
でも成果物は完璧。
これを単純に、
「どちらが優秀か」
という話にするのは無理があります。
CodexとClaude Codeは、単純な優劣では比べられなかった
Codexの強みは、以前の環境では「手離れの良さ」だった
以前のCodexで一番助かっていたのは、速さだけではありません。
手離れが良かったことです。
一度仕事の流れができてしまえば、細かく介入しなくてもかなり進む。
約3時間で終わる。
その間、こちらもある程度別のことができます。
これは実務では非常に大きなメリットです。
ただし今回のように、一つの工程でも操作できなくなると、
最後まで仕事が完成しません。
380件の登録のうち、画像添付だけが人間に戻ってくる。
それだけでも業務効率は大きく変わります。
Claude Codeは時間がかかった。でも結果は良かった
一方のClaude Codeは、
- 利用時間の制限
- 多い承認回数
- 人間が付き添う必要
- 完了までの実時間
という点では、
今回の定型業務には重く感じました。
しかし、完成度は高い。
だから、
「Codexが上」
「Claude Codeが下」
とは思っていません。
使う仕事が違う。
求めるものが違う。
そう考える方が自然です。
AIツールは「何ができるか」だけで比較しても、
実務ではあまり意味がありません。
AI自動化は「賢さ」より「業務として成立するか」で見る
100点でも2日半かかるなら困る仕事がある
仕事で使う以上、完成度だけを見て
評価するわけにはいきません。
100点の結果が出ても、3時間で終わる予定の仕事が
2日半かかれば困る場合があります。
納期もあります。
その後の予定もあります。
他の仕事もあります。
だから実務では、
- 結果の精度
- 処理にかかる時間
- 人間が介入する回数
- 手離れの良さ
- 毎回同じ手順で進むか
- 突然止まらないか
をまとめて考える必要があります。
「できる」と「任せられる」は違う
今回、かなり強く感じたことがあります。
AIが、
「その作業はできます」
と言う。
実際にやらせれば、確かにできます。
でも、
「では、その業務を丸ごと任せられるか」
というと別の話です。
一度だけ成功すればいいわけではありません。
来月も同じ業務があります。
その次もあります。
38店舗を安定して処理する必要があります。
「できる」と「安定して任せられる」は、同じではありません。
実務では後者の方が重要です。

今回の件で分かった、AI自動化の怖さ
一番困るのは「先月までできていた」こと
最初からできない仕事なら、それほど困りません。
「このツールではここまで」
と分かっていれば、別の手段を準備できます。
でも今回のように、
先月まで普通にできていた。
何度も使っていた。
そのやり方を前提に仕事を組んでいた。
それが突然成立しなくなる。
これは実務ではかなり困ります。
今回、なぜ挙動が変わったのかについては、
まだ原因を断定できません。
仕様変更なのか。
ブラウザ操作の制約なのか。
ファイル選択画面へのアクセス方法が変わったのか。
別の要因なのか。
現時点で分かっているのは
以前できていたファイル選択の工程で
CodexからWindows側の画面を
操作できなくなったということです。
AIの判断力ではなく、
操作するための「手」が届かなくなった。
俺には、そう見えています。
自動化に依存するほど、止まったときの反動は大きい
便利なものは、すぐに当たり前になります。
手作業で何時間もかかっていたものを
AIが3時間で終わらせるようになる。
それを何度か経験すると、
「3時間で終わる仕事」
として予定を組むようになります。
そして突然その仕組みが止まると、一気に困ります。
今回、Claude Codeへ引き継げたから
仕事そのものは完了できました。
でも、そのために足かけ2日半かかりました。
もし締切直前だったら、かなり厳しかったと思います。
これからは「全部任せる」だけではなく、止まったときも考える
AIごとに得意な仕事を分ける
今回の経験で、一つのAIに全部を任せる考え方は
少し変わりました。
たとえば、
- 定型的なファイル処理
- コード修正
- ブラウザ操作
- データ整理
- 最終判断
- 認証や例外処理
を分けて考える。
そのうえで、
「これはCodex」
「これはClaude Code」
「ここは俺」
と役割を決める。
一つが止まったときに、全部が止まらない形にしておく。
これは今後かなり重要になると思っています。
引き継ぎ書を残しておく
今回、Codex自身に引き継ぎ書を作らせたのは
正解でした。
もし何も残していなければ、
「この商品はこのセクション」
「この場合は新しいセクションを作る」
「価格は入れない」
「この画像を使う」
というルールを
Claude Codeへ一から説明し直す必要がありました。
AIで業務を自動化するなら、
- 作業の目的
- 使用するデータ
- 判断ルール
- 操作手順
- ファイルの場所
- 例外時の処理
- 現在の進捗
くらいは残しておいた方がいい。
これは人間用の手順書にもなります。
別のAIへ移行するときの引き継ぎ資料にもなります。

100%自動化だけが正解ではない
今回の件で、
「絶対に最後までAIだけで終わらせなければならない」
とは考えなくなりました。
80%をAIがやって
最後の20%を人間が担当する。
それでも、その20%が明確で短時間なら
十分に意味があります。
問題なのは、
「どこで止まるのか分からない」
「そのたびに人間が呼び戻される」
という状態です。
完全自動化かどうかより、
AIと人間の担当範囲が明確で
毎回同じように仕事が終わること。
その方が実務では重要です。
今回はClaude Codeで完了。でも、できればCodexへ戻したい
今回の仕事そのものは、
Claude Codeへ引き継ぐことで完了できました。
結果も完璧でした。
ただし、今後も同じ方法を続けるつもりはありません。
38店舗。
登録380件。
削除152件。
この定型業務を、そのたびに足かけ数日かけて
処理するのは重すぎます。
だから次にやることは、
「なぜCodexで以前できていた画像添付が、今はできなくなったのか」
を追うことです。
原因が分かり、以前のような運用へ戻せるなら、
俺はCodexに戻したいと思っています。
約3時間で終わっていた仕事です。
その効率を簡単に捨てる理由はありません。
もし調べても戻せないなら
その時点で改めて半自動化や別の方法を考えます。
便利なAIを探すより、仕事が安定して回る形を探す。
今回の件で、AIを仕事に使うときの優先順位が
かなりはっきりしました。
AIに何ができるのか。
それも大事です。
でも実務では、
- 速さ
- 精度
- 安定性
- 再現性
- 人間の手離れ
- 止まったときの復旧しやすさ
まで含めて考えなければならない。
AIが賢いかどうかではなく、
そのAIを使って仕事がちゃんと回るか。
今回の一件は面倒でした。
正直、先月までできていたことができなくなったときは
かなり参りました。
でも、この経験そのものが、
AIを実務で使う上ではかなり重要な
一次情報になったと思っています。
そして、Codexで何が起きたのか。
元の運用へ戻せるのか。
そこも実際に追いかけて、
このブログに残していくつもりです。